訪問看護ステーション笑福(碧南市)では、利用者様の生活の質(QOL)向上を目的に、毎月研修を実施しています。
今月は、スタッフが先月参加した 愛知県看護協会主催の訪問看護職員交流会 で学んできた内容をもとに、
「認知症ケア」と「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」 をテーマに研修を行いました。
■ 認知症とは|脳の疾患による「認知機能の低下」
認知症は、加齢による物忘れとは異なり、
脳の神経細胞が障害されることで記憶・判断・理解・見当識・行動などの認知機能が持続的に低下する疾患 です。
代表的な原因疾患は、
- アルツハイマー型認知症
- 血管性認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
など多岐にわたります。
認知症ケアの核は、
✔ 病気を理解し
✔ 症状の背景を読み取り
✔ その人の価値観を尊重すること
専門職による「包括的アセスメント」が不可欠です。
■ 認知症ケアの本質:「意思は残っている」ことを理解する
研修で特に共有された重要な視点は、
認知症の方でも、長期記憶や価値観は比較的よく保たれている という点です。
短期記憶が困難になっても、
- 若い頃の経験
- 家族との思い出
- 大切にしてきた習慣
- 仕事での役割
などは、記憶として残っていることが多く、ここに“その人らしさ”が表れます。
そのため訪問看護では、
昔の話を聞き出すこと(ライフレビュー) が極めて重要になります。
これは
✔ 本人の安心感につながり
✔ 行動の背景理解につながり
✔ ケア方針の決定に役立ちます
認知症ケアの根幹ともいえる支援です。
■ 認知症の意思決定支援はなぜ難しいのか
認知症になると、情報の理解や判断が難しくなるため、
治療・生活・終末期に関する意思を表明することが難しくなります。
しかし、
「判断能力が不十分=意思がない」ではありません。
ここを誤解すると、本人の人生観・価値観が置き去りになってしまいます。
そのため意思決定支援では、
- わかりやすい説明
- 選択肢の絞り込み
- 表情・言動からの意思の読み取り
- 家族との協働
- 多職種による補完
が必須となります。
■ ACP(人生会議)との深い関係
認知症の進行により意思表明が困難になる前に、
本人が大切にしている生き方や価値観を周囲が共有しておくこと が重要です。
これが「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」です。
訪問看護では、
- 日々の会話から価値観を拾う
- 家族に背景を確認する
- 多職種で情報共有する
- 本人の思いを尊重しながら支援を調整する
などが大切になります。
■ 訪問看護での認知症ケアの注意点(専門的)
訪問看護は“生活の場”に入る支援であるため、以下の観点が特に重要です。
● 1. 日常生活から得られる情報の把握
- 生活リズム
- 食事量
- 服薬状況
- 転倒リスク
- 金銭管理
- 家族関係
これらすべてがケアプランに反映されます。
● 2. 本人の不安・混乱の早期察知
認知症の方は環境の変化に弱く、
訪看の関わり方一つで大きく安心度が変わります。
● 3. 「できること」に注目した支援
残存機能の活用は尊厳の維持につながります。
● 4. 多職種連携が絶対に欠かせない
医師、ケアマネ、PT/OT、デイサービス、家族…
“誰か一人”では支えきれません。
● 5. 介護者支援(家族のメンタルケア)
家族ケアは訪問看護の大切な役割であり、
介護疲労の早期発見が本人の生活を守ります。
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